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第9話 救世主を止めろと言えるのか

last update تاريخ النشر: 2026-09-22 21:05:29

第9話 救世主を止めろと言えるのか

 北米東海岸を襲った記録的豪雨から二日後、国際量子科学大学の正門前は、もはや大学の入口とは呼べない状態になっていた。

 道路の両側には各国の中継車が並び、空には報道用ドローンが何十機も浮かんでいる。警備員が規制線を張っても、記者だけではなく一般人まで集まり始め、門の向こうに見える研究棟を背景に記念写真を撮る者さえいた。

 大学の売店では、誰が企画したのか分からない《LIMEN》の文字を印刷したマグカップまで売られ始めていた。

「誰の許可を取ったんだ、あれは」

 研究棟の窓から売店前の行列を見下ろしながら、如月蓮は露骨に顔をしかめた。

「大学でしょうね」

 高瀬が答えた。

「商標登録したのは俺たちだぞ」

「大学との共同名義です」

「そうだったか?」

「先生が契約書を読まないからですよ」

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